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僕のオカルト道の師匠は当時家賃9000円の酷いアパート
に住んでいた。
鍵もドラム式で掛けたり掛けなかったりだったらしい。
ある朝目が覚めると見知らぬ男の人が枕元に座ってて
「おはようございます」
というので
「おはようございます」と挨拶すると
宗教の勧誘らしきことをはじめたから
「さようなら」といってその人おいたまま家を出てきたという
逸話がある。
防犯意識皆無の人で、僕がはじめて家に呼んでもらった時も
当然鍵なんか掛けていなかった。
酒を飲んで2人とも泥酔して、気絶するみたいにいつのまにか
眠っていた。
僕が夜中に耳鳴りのようなものを感じて目を覚ますと、横に寝て
いた師匠の顔を除き込むようにしている男の影が目に入った。
僕は泥棒だと思い、一瞬パニックになったが体が硬直して
声をあげることもできなかった。
僕はとりあえず寝てる振ふりをしながら、薄目をあけてそっちを
凝視していると男はふらふらした足取りで体を起こすと玄関の
ドアのほうへ行きはじめた。
『いっちまえ。何も盗るもんないだろこの部屋』
と必死で念じていると男はドアを開けた。
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