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それをねぇ、少しづつ、えぇ、本当に少ぉしづつねぇ、時間をかけて、食べてましたよぉ。
え?中身ですか?
中身なんてありませんよぉ。
握って、少し強めに塩を振る。
ただそれだけ。
嘘じゃありませんって。
「梅干しでも入れましょうか?」
聞いたら、
「梅干しは、すっぱいからいりません」
なんてねぇ、言うんですよぉ。
いくら、本人がいいと言っても、こればっかり出す訳にもいきませんからねぇ。
おかかですとか、刻んだタクアンを混ぜてみたりとか、色々試して見たんですけどねぇ。
やっぱり、ダメなんですねぇ。
塩むすびだと、全部食べてくれるんですけど、ちょっとでも変わった物を出すと、半分位食べておしまい。
だから、本人から何か言われない限り、おにぎりが多かったです。
後は、味噌汁。
食事が、あまりノドを通らないような時も、
「味噌汁だけは、、」
って、お碗に半分位でしたけど、口にされてましたよ。
本当に、少ぉししか食べられませんでしたけど、それ以外は、本当に病人らしい所なんかありませんでしたよ。
あの頃は、もうそれが不思議で、不思議で、、。
でも、そのツケは、、、沖田さんに廻り始めていたんです。
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