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そんなこんなで、何度だったですかねぇ。
またねぇ、ふっう、、、って感じで、息遣いが弱くなったんです。
これはいけない、元気づけないとっ、、てぇ思いましてねぇ、声をかけたり、手を握ってみたり、、。
でもねぇ、、この時ばかりは駄目でしたよ。
声をかけても、手を握っても、、良順先生の名前を出しても、、。
ほとんど、、応えてくれなくなってしまったんですょ。
息遣いもねぇ、ただ弱ってきただけじゃなくて、
途切れ途切れに、
『ぜぇ、ぜぇ』
って、喘ぐ様な音が、混じり始めました。
それが、なんとも弱々しくて、苦しそうで、、。
「沖田さん!沖田さん!もぅちょっと、、もぅちょっとですから!」
一生懸命声をかけても、さすっても、、もうほとんど応えてくれないんです。
息遣いも、どんどん浅ぁく、弱くなっていくんです。
もぅその様子を見ていたら、背筋がぞぞっ!ってなりますよぉ。
本当に、あんな時にね、一人っきりってのは、心細いもんです。
そんな事、考えちゃ駄目だ!考えちゃ駄目だ!!
そう思ってもねぇ、もう悪い事しか思い浮かばないんですよ。
いつの間にかねぇ、身体中ガタガタ震えがきてましてね。
落ち着け!落ち着け!何度も、心の中で念じても、、もぅ、、全然でしたよ。
そのうちねぇ、なんだか急に沖田さんが、すぅーっと遠くに行ってしまう様に感じましてね、、。
怖くなって、沖田さんの手を、こぅ、、、ギュッと握ったつもりなんですが、指先がねぇ、、こぅなんていうか、痺れたみたいになっていて、、。
本当に沖田さんの手を握れているのか、、。
それさえ、わからなくなってましてね。
頭の中も、真っ白。
今思うと、本当に情けないもんですよ。
そんな時、いきなり両の肩をグッとつかまれた日にゃ、、そりゃぁ息が止まるくらい驚きましたよぉ。
「ばぁさん、、、待たせな」
優しい声に振り返ると、いつの間にか、そこには良順先生がいらっしゃいました。
不思議なもんですよ。
部屋の中は、ほとんど真っ暗だった筈なのに、先生のお顔は、、はっきり見えましたよ。
えぇ!勘違いなんかじゃありませんとも。
先生のお顔を見た途端、ボロボロって、涙がこぼれましたよ。
張り詰めていた、なんかが、、こぅ、、切れてしまったんでしょうね。
「おぃおぃ、、泣く奴があるかい。
ばぁさん、、、よくやった。
立派にお役目を果たしたぞ」
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