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「よぉ!沖田ぁ!」
なんてねぇ、先生は本当に近所の顔見知りが来たみたいな気安さで、部屋に入るとそのまんま、どっかりと沖田さんの脇に腰を下ろされましてねぇ。
「なんでぃ!思ったより元気そぅじゃねぇか!」
なんて言いながら、本当に嬉しそうな顔で、沖田さんの顔を覗き込むと、
「おっ?やっぱりこっちの水が合うのかねぇ?
だいぶん、顔色がマシになったじゃねぇか」
なんて言いながら、布団の上で身を起こしていた沖田さんの肩とか、腿の辺りを何度も、何度も叩くですよぉ。
ぱんっ!ぱんっ!!って音がするくらい。
もぉ見ているこっちがハラハラもんでしたよぉ。
沖田さん本人は
「先生、痛いですよ」
なんて言いながら、全然嫌そうじゃないんです。 むしろ嬉しそうで、、。 その時にねぇ、気がついたんですよぉ。
『病人扱い』されてないのが嬉しいんだって。
あたしはねぇ、、まぁ多分、親方なんかもそうだったと思うんですけど、どぉしてもねぇ、変に、気を使ってしまうんですよぉ。
なるべく普通にって思っても、やっぱりねぇ、頭のどっかに、この人は『重い病人』なんだってのがあったんでしょう。
だから沖田さんには、心苦しい思いをさせてしまった事もあったんだと思います。
先生はねぇ、全然作った風が無いんです。
とにかく、よく笑ってられましたよ。
カッカッカッ!って大きな声でねぇ。
またなんとも笑い方が小気味よくって、ついこっちまでつられて笑ってしまう。
そんな感じでした。
「鰻の旨い店を見つけたから今度一緒に喰いに行こう」
「もちろん先生の奢りですよねぇ?そいつは楽しみだなぁ」
「こいつめぇ!」
なんて言い合いながら、また二人して笑うんです。
脈を取ったり、具合を尋ねたりとかはねぇ、一切無しです。
ただ、他愛のない話をしている。それだけです。
そんな様子を見てると、なんだか仲の良い兄弟みたいに見えましたよ。
そうそう!先生ときたら、あたしの事を『ばぁさん』ってねぇ呼ぶんですよぉ。
「おぃ!ばぁさん!茶をくれねぇか?」
「ばぁさん!もう一杯くれ!」
ばぁさん!ばぁさん!って、もう何度も何度も。
沖田さんも最初のうちは
「先生、『ばあさん』は可哀相でしょう?」
なんて言ってくれたんですけど、しまいには沖田さんも面白がって、先生と一緒に『ばぁさん、ばぁさん』って、、。
本当に、、ねぇ?
ですけどね、これがきっかけでねぇ沖田さんとの
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