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登校中……翔太は空を見上げていた。
『空が高いな……』
すると前方から
「朝から間抜けな顔してんじゃねーよ」
と声が聞こえた。翔太が声の方を見ると、同級生の修司の姿があった。
『おー、修司』
「オハヨ。なんだおまえ、朝から考え事か?」
『考え事っていうか、ちょっとした仮説を立ててみた』
「仮説? どんなの?」
首を傾げる修司に、翔太は空を見上げながら口を開く。
『人ってよぉ……最初は、ほんの小さな微生物だったじゃん? それが進化を重ねて、今の人間になったわけじゃん。つまり俺は何を言いてェか……人にはいずれ羽が生えると思うんだ。実はまだ進化してる途中なんじゃねーか……って考えてた』
真顔で話す翔太を見て、修司は若干引く。
「……はぁ、くだらねーな」
『あ? つーかよぉ、自分から聞いといて、くだらないはねーだろ』
「ハイハイ、早く行こうぜ」
『……お前なんか、死んじまえばいいのになぁ』
「あぁ!? やるか!?」
翔太の言葉に修司は怒りを露わにし、拳を握って構える。
『ヤダ。朝からそんなテンションじゃねーし』
「……それもそうだな。おまえ、強ェからな」
修司は握った拳を開き、腕をおろす。
『ただこれだけは言わせろ。いずれ人間は空を自由に飛べる日が必ずやってくる!』
「……もう勝手にしてくれ」
あーでもない、こーでもない話しをしながら、2人は学校へと歩を進める。
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