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由華のお陰で遅刻を免れた2人は教室へ向かい、それぞれの席に着く。
席に着くなり翔太は、窓から空を見ていた。青く澄んだ大空に、鳥が飛んでいた。
人にも羽が生えるとしたら、何千……何万年頃先になるのだろうか。
空を飛べたら、人はもう地面に足を付くことは無くなるのだろうか。
そんなくだらない事を考えながら授業が終了する。
帰る準備をしていると
「今日友達と買い物行くから先帰っちゃっていいよ」
『はいよ』
と、軽く由華と言葉を交わして2人は別れた。
帰りに修司と合流した翔太は、また朝の話を持ちかけた。
『もしさぁ……羽が生えるとしたら何年後くらいになるかな?』
「お前……まだそんな事言ってんのかよ」
『バカ。見てみ、この大空。自由に飛べたら、どんだけ気持ちいい事か』
「だったらよ、スカイダイビングでもやってみりゃいいじゃん」
『アホ。落ちるのと飛ぶのとは絶対違うから』
「ん~、じゃあ飛行機にでも乗ってみては?」
『カス。乗るのと飛ぶのも全然違うから』
修司の言うことを、翔太はことごとく否定していく。
「お前はよぉ……あー言えばこう言う。お前の女に似てきたんじゃね?」
「……アイツの話すんじゃねーよ」
翔太が修司を睨む。
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