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放課後、俺は生徒会室にいた。
「よく聞け、エフ。いい知らせがある」
エイドはコーヒーを一口飲みながら言った。
「何ですか」
俺はいつもエイドに言われてる通りドアに鍵を締め、鞄を床に置いた。
「この街にスプリアウスが隠れて集まる場所があるそうだぞ」
この街に…!?
「本当ですか!?」
「本当だ」
そしたら…もしかしたらそこに運命の相手がいるかもしれないんだ!
俺は嬉しくて思わず笑みを零す。
「それがどこにあるか教えて下さい」
「知りたいのか?」
「はい!」
早くそこに行きたい。人間になれる手段が手に入るんだ…
「エフ、こっちに来い」
エイドは声のトーンを低くして言った。何故だか少し怒っているようだ。
俺は生徒会長の机の前まで行く。
「俺の横に来い」
条件だ…。エイドがただで情報を教えてくれるハズがない。
無言でエイドの横に行くとエイドは俺の手を取って引き寄せ、キスしてきた。
「お前なら分かってるだろう」
「…はい」
俺は静かに制服を脱ぐ。
「お前が抵抗しないで脱ぐなんで初めてだな」
エイドが少し不服そうに言った。
俺は人間になりたい。人間になるためなら、これくらい容易いことだ。いつもされているんだから慣れてる…だから大丈夫……
自分にそう言い聞かせても、体は抵抗した。自然とボタンを外す指先が震える。それを見ていたエイドは、俺のワイシャツに手をかけ、強引にワイシャツのボタンを引きちぎった。
「な…っ」
「人間なんて、お前が思ってるほど良い生き物ではないよ、エフ…」
「───っ!」
はだけた胸にエイドが唇を這わす。全身に鳥肌が立って、エイドの唇が触れているところ以外はとても寒かった。
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