第六話

5/5
前へ
/42ページ
次へ
  「えっ!? あぁ、がんがんじいか……」   そういうと洋さんは少し暗い顔をして、さっきの崖の下まで案内してくれた。   「こッ……これは!?」   崖の下にあったのは巨大なクレーターだった。周りには焼け焦げた土や森の残骸、そしてボロボロになった鉄屑。   「ま、まさか……」 「………俺も着地失敗したんだ。」 「…………………」   洋さんの話によると、落下途中の風を感じるのに夢中で頭から地面に激突したそうだ。そして目が覚めた時にはこうなっていて、俺は近くの木の枝に引っかかっていたらしい。   「じゃあ、がんがんじいは……」 「………なぁにあいつのことだ!きっとどこかでピンピンしてるさ!」 「そ、そうですよね!」 「そうそう!きっと今ごろどこかで……“あ~、死ぬかと思った”とか言ってるよ!」 「ですよね!もう、山小屋に帰ってたりしてw」 「あるあるwww」   しかし、がんがんじいは帰ってこなかった。  
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加