ボイス

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 僕の歯切れ悪い説明でも彼女は嫌な顔せず聞き、お礼を言ったのだ。 「ありがとうございます。本当に嬉しいです」  彼女の喜ぶ顔が何故かいつもより一段と綺麗で明るく見えた。 「あっ、でも皆には内緒ね。流石に何枚も貰う訳にはいかないから、Jinのファンって知っていた村瀬さんの分しかないんだ」  そう聞くと、彼女は秘密を保持した子ども見たいな表情で頷いた。 「これ誰にも見つからないように鞄に隠して来ます」  彼女は笑みを浮かべながら、椅子の上に置かれた鞄の中に丁寧にしまったのだ。  ここ最近、滅多に彼女と長々と話す事は無かったが、この日はJinの話題で話が尽きる事はなく、久しぶりに彼女と楽しい会話を沢山する事が出来たのだ。
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