事件は突然に

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 何じゃコレ!? どう考えても神様の嫌がらせにしか思えない。僕と村瀬さんが織り成すこのドラマはラブストーリーではなくコメディーなのか? 僕の方が泣きそうだ。  僕はこのコメディーに気付かず、初めから何も無かったかの様に平然として席に戻り、ボスのプルトを開け、口を付けた。 「塚ちゃん… やり手ね」  終わりにしたかったこのコメディーに赤松さんの言葉に因ってエピローグが挿入されるはめになった。僕は早くこのコメディーを終わらせたかったので、短く事実だけを言う事にしたのだ。 「偶然ですよ」 「ふ~ん、そうなんだ、塚ちゃんって優しいんだね」  赤松さんは瞳を細め、疑った表情で言う。どうやら赤松さんは僕の話しを信じていないみたいだ。でも遭えて弁解や話しを付け加える事は止めよう。このコメディーが長引く。僕は赤松さんの言葉に苦笑いで答え、デスクの引き出しからチェック表を取り出し、回収して来た演出上がりの原画をチェックする事で、このコメディーを強引にぶっつりと切って終えたのだ。
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