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とても、大きな音がした。
ベシャア!
何かが落ちて割れた様な音で、私はパチリと目が覚めた。
少し前から大きな声で話していたのは気付いていたが、今の音は何だろうか?
今まで聞いたことの無い音だった。
(あ、でも…例えるとしたら…)
そんな事を考えながら、物音が聞こえた一階のリビングへと足を進めた。
コツン、コツン、コツン―…
自分の足音だけが響く空間。
静寂に包まれたこの家が、まるで別世界に迷い込んでしまった様で少し怖い。
階段を下り終わると、リビングからは明かりがもれていた。
暗闇と静寂によって、恐怖に塗り潰されそうだった心に一気に光が射した。
「お母さん!優治さん!」
きっと二人でいるんだ。
多分お母さんがいつものドジで何か落として割っちゃったんだ。
(そうだ、例えるなら―…)
キィ―…
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