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「べ、別に何もないよ。ほんとに帰るだけなんだから。」
「…へぇ。おだんごにとっちゃ、別になんてことないんだな。分かったよ。」
「え?どーゆー意味?」
「知らねぇよ。さっさと補習終わらせるぞ。」
星野は明らかに不機嫌になって、補習中もずっと、黙ったままで、家まで送ってくれたけど、「じゃあ」ってたった一言。あたし、何か悪い事した?
だって、わかんないんだもん。教えてよ、言ってくれなきゃわかんないよ…。
それからしばらく、スリーライツは仕事が多忙になり、あまり学校に来れなくなる。星野はまだ怒っているのか、連絡はない。
…そんなある日。
「うさぎちゃ~ん!この雑誌!星野くん出てるわよ♪」
「…え?」
美奈子が持ってきたのは、女の子に人気のファッション雑誌。デートのファッション特集で、相手役が星野だったのだ。6ページもある。
久しぶりに見る星野の顔は、いつもみたいな無邪気さはなくて、クールで、カッコつけてて、別人…みたいだった。
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