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うさぎは、溢れ出しそうになる気持ちをグッと押し込んで、笑顔を作る。
「…うん。星野、かっこよく写ってたよ。特に、あのキスシーンなんて…すごく、リアルで…。」
「おだんご、あれは…!」
星野が何か言いかけたその時、相手役のモデルが、割って入る。
「だって~あれ、本当にしたんですもの。そりゃあリアルよぉ~。」
「やっぱり、そうなんだ…すごいよね、芸能人って……ごめん、あたし、なんか体調悪いみたいで。保健室行って帰らせてもらうね。」
なんとか、涙を堪えて教室をあとにした。
「…俺の顔見て話しろよな…。」
なんだよ…あからさまに作り笑いなんかしやがって。イヤとも言わずに、ヘラヘラ笑って。なんで、はっきり言わねーんだよ。
「あ~ぁ、星野、知らないよ。」
「そうよ!星野くん!うさぎちゃん可哀相だわ!なんとかしてよね!」
「月野、もぉ限界なんじゃない?」
分かってる…そんなの、お前らに言われなくても分かってんだよ!
「ねぇ~星野くん、あのコどーしたの?」
と、さっきのモデルが、やけに身体を密着させてくる。
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