木漏れ日の中で…

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ジルの船は早かった。 私達は船室で抱き合って暖めあった。 「お嬢さん達、しばらくの我慢だ」 「ジルさん、ありがとう」 「なに、戦争なんぞにまけるかや」 私達の間で黒猫が丸くなってた。 それが暖かかった。 「猫ちゃん、ありがとう」 ふと頬ずりする猫がかわいかった。 船は海を飛ぶように走る。 途中火があがっている街が見えた。 「怖いね」 私がつぶやくと、 「うん」 はるかもつぶやく。 ブランゼール港に着き、ジルにお礼を言った。 ブランゼールの街は暗くあかりもない様だった。
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