木漏れ日の中で…

7/8
前へ
/16ページ
次へ
彼女と会わなくなって二週間になる。 どうかしたんだろうか… 何気なく、彼女の降りる駅に足を向けた。 駅の前に小さな公園があって、ブランコの影に黒猫がいた。 夢に出た猫? ブランコに座ると、黒猫は私を見て、鼻を鳴らした。 「…そうだよな、まさかね」 会えるはずはなく、少し歩き、道沿いのカフェにはいる。 ミルを引く音とココアの暖かさで、緩やかな時間を過ごす。 ふと、窓の外から、先ほどの黒猫が見えた。 黒猫の後ろから歩いてくる はるか がいた。 びっくりしたが、どうすることも出来ず、ただ見ていた。 黒猫は僕を見つけたように駆け出して、カフェの窓ガラスに すり寄ってきた。 はるかが気づく。 僕はちょっとうつむいて、外に出た。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加