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ガタンと揺れた電車で僕は目覚めた。
隣の学生も、僕の肩で頭をずらし、目を覚ます。
「あ、ごめんなさい」
「あぁ、大丈夫」
え?
はるか?
僕は声を詰まらせる。
彼女は離れた。
僕は小説に目をやり、そしらぬふりをする。
気になった。
少しみんなの声がとぎれた。
カタタン、カタタンと線路の音がする。
彼女は次の駅で降りていった。
ほのかな残り香が僕の正気を取り戻させた。
夜は論文に追われた。
布団に入る頃には午前3時になり、深い眠りに墜ちていた。
そして、しばらくはあかりの夢は見なくなった。
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