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「……主…」
力を使って黒をそっと人間界に落としたのを、
従者は見ていた。
「…いつかこうなると…思った」
アルツも見ていた。
「あれ、お兄さん?オレに何をしているの?クロはオレだよ?オレはお兄さんの味方だよ。本物のほうのクロが帰ってきたらみんなで仲良くしようって…オレは考えてたんだよ。お兄さんの幸せがオレの幸せだから。それなのに何で、オレを…、何で…どうして?」
シロのキスで目を覚ました黒はうっすらと目を開け、人間界へと落ち沈んでゆく中、ぼんやりとそう思った。
頭の中はどうしてでいっぱいだった。
意識が切られた。
次に目覚めたとき、黒は人間界のある国のある町の路地裏の汚い汚いゴミ置き場に埋もれていた。
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