+†その日は大雨デシタ…

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ザクザク…   体育館裏に向かってアタシは歩いていた。   此処って芝生だらけだし手入れされてないから…音がなるのよね。   ――ポツポツ… 上を見上げた。 雨、かあ。 小雨みたいだから平気っ!     …人が見える、理鎖に間違いない。 ナイフを持った手を後ろに回して近寄った。 ―さぁ?殺してあげるわ…理鎖!!     「ひぐっ…う、う…酷い…」   アタシには気づいてないっぽい理鎖。 でも、急に喋ったからビックリして理鎖に近寄っていた足を止めてしまった。   「……イラ……我が…応…よ…っ」   聞こえずらいなぁ 理鎖は訳が分からない事を喋りながら紙みたいなのをぎゅっと握ってた。 もうちょっとだけ。もうちょっと理鎖を…見てよ。   「……やっぱりあの店員…私を騙したな…この呪文を…この魔法陣を書いたのを持って言ったら悪魔の子ってのを出せるって言ったのに――…」   また呪いごっこ? 胸は痛くならないけどさ… よし、殺しにいこっ アタシは1歩踏み出した。   「――お姉ちゃん…」   「!?」 ビックリして1歩下がってしまったよ… アタシは…またさっきの場所に戻ってしまった。 理鎖…気づいてたのかな?   「ゴミって……この教科書も……お姉ちゃん……呪い…なんか、呪い…んかして…ないのに…ただ……」   ―小雨が痛い大粒の雨に変わっていっていた。   呪いなんかしてないって…… 本当に訳が分からないよ?理鎖…   「駄目だよ…。しばらく、私は眠るね…この術は役に立ったな…ね?弥紅【ミク】――…」   クラッ…バタリ。   理鎖はその場に倒れた。 弥紅…? 駆け寄ろうとしたら。   「理鎖…可哀想にな。私がブッ殺してやるよ――?お前が死を望んだ奴を…」   凄い 殺気だ 理鎖じゃ ない。 怖くなった アタシはその場を走って逃げた――…         しばらく…この事と理鎖を殺すのは止めておこう…! なんか 足が震えて…!! 恐怖心が強いっていうか…!   教科書の事もバレてなくて良かった――… とりあえず とりあえず!! 理鎖に死を望まれないようにしよっ… アタシが殺すんだもん。 殺されてたまるか―――……!!       絶対に絶対に   アタシは理鎖になんか殺されない…!
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