+†もう1つの双子…

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――ぐいぐい   「ほらぁ!理鎖っ…いこぉよ!」 「嫌だって言ってるだろっ?!」 私は姉に腕を捕まれて引っ張られてた。 力づくでなんとかしてるけど…   「早、く…!休憩時間終わっちゃうよぉ!」 「だから行かなくていいの!!」 「駄目…!そんなの絶対にさせない…からぁっ」 「お姉ちゃんの言う事なんかっ聞いてられないからっ…!」   力と力の引っ張り合いの中 喋ってるから 疲れる… にしても 力強いな…魅鎖…     「理鎖…っ状況の重さ、分かる…?」 「分かってるからっ離せ…!」 「命の大切さが分からないなら離さないぃっ!!」 「あんな、奴っ死んで当然だっ…!」   スッと腕を掴まれていた力が消えて 「あぁっ?!」 私は前に2歩くらいタタッと勢いで進んでいた。   「死んで当然?何ソレ…」 「……おま」 「馬鹿っっ!」   ――パンッ 魅鎖にビンタをされた。 しかも台詞の途中でね…   「馬鹿!馬鹿馬鹿ぁ―…」 「何が言いたいのさ…」 「理鎖おかしいよぉ!」   ―またか   「どぉして理鎖はこんなに酷い事をする子になっちゃったの…?」 「さぁね」 「ほら!またっ!冷たくもなってる…」 「人間、変わる物じゃないの?」 「それは…」 「なら私は変わったの、ただそれだけ以上」   これ以上 言わせる訳にはいかない… 本当は殺したいが 理鎖は望んでない… なら殺さずに生かしておかなきゃいけない…。 それが私と理鎖の契約…代償もちゃんともらってるしな。     私は早歩きで この場を立ち去ろうとした。   「駄目ぇー!」   また腕を掴まれた いい加減 ウザイ…     「は・な・せ…!」 腕を左右に力一杯振った。   「嫌っ!!」 今度は両手で私の腕を掴んだ魅鎖。   「なっ…//」 私は状況を理解した。 腕をはさんでいる ふにゅっとした柔らかい物―… 理鎖にはなくて魅鎖にある物―…   そう… 魅鎖のが…腕に… 初めての感触だったから ビックリした。   「こ、このぉお!離せ離せ離せー!」 「嫌ぁあっ」 「しつこいんだよぉっ!」       チャイムがなった。   私達は疲れきってその場に座り込んで居た。 ちなみに私は担任達に見つからまいと誰も通らない校舎の奥の部屋に籠っていたのだ。   そこを魅鎖に見つかり腕を引っ張られ連れ戻されたって訳…     ……思い出すだけで嫌になる// …今はふて寝したいくらい最悪だ!
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