+†傷痕

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  「かはぁっ!」   ──もっと苦しめ!このメス豚!   バシャン   風呂場だった。 私はお母さんに頭を掴まれて湯船に押し付けられてる。 顔が湯船に入っているから呼吸ができない。 苦しめるのが目的みたいだから たまに上げてくれる。     「ゴボッ…」   そろ…そろ…死ぬ…! 苦、しい。   私はさっきから手を激しく動かして抵抗していた。 だけど力のない私はお母さんに叶わなかった。   バシャン   「はぁっ……」 上げてもらえた 私はまず呼吸を整える。   ──ほら さっさとこい!   まだするの──…!? 私はまた引っ張られた。     車に乗った。 私は力つきて抵抗できずにいた…     何処かのマンションについて 305号室に入る 大人の男が5人くらいいた。   「さぁ!こいつに教えてやんな、風俗の世界の厳しさをな」   「了解です、姉さん」 「餓鬼ですぜ?大丈夫でっか?」   「大丈夫よ、風俗で働いたみたいだしな」   ───ッ! わらわら男が近寄ってきた   「いやぁ!こないでっ…!!」 男の手が私の方に来て   「ッ!」   私の髪を乱暴に掴み手を左右にふる。   「ちょっ!いやぁあ……!」   私は立っていられず がくん、と その場に崩れ落ちた。         そこ から 記憶は ない。 思い 出したくも ない─…   気がつけば床に寝ていた。 お気に入りの服が無残に破られていた。 私はその服の破片を握り 涙を流した。 今まで溜めてた涙を   そう、お姉ちゃんは泣き虫なんかじゃない だから泣いちゃいけない──… 泣き虫な私は頑張った。 泣かない泣かない泣かない…。 でも今回は駄目だった。   涙が溢れて止まらない。 色んな気持ちの涙が 止まらない。 回りには誰もいなかったから 思いっきり泣いた。   わざと声に出して泣いた。 その方がスッキリすると思ったからだ。     朝日の光が眩しい。 眩しくて目が痛いけど 私はカーテンを閉めなかった。 別に構わなかった。 寧ろ 落ちた涙が1つ1つ輝いて 綺麗な宝石に見えたから──……     私はしばらく泣き続けた。   …こうしてる場合じゃない。 早く早く出ていかないと… 此処から でなきゃ。 涙を手でゴシゴシ拭いて     私は立ち上がった。
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