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歩きだそぉ───…
ぐらぁ。
「あ…」
ばたん。
私はうつ伏せになった。
倒れたのだ。
足の感覚がない。
足がただの肉の塊にしか見えなかった。
「…なんなのよぉ。」
私は足を無意味に睨んでから、歯をくいしばって
足を引きずりながらも
前へ 手を使って進んだ。
移動スピードは勿論遅くて 体力的にも限界が近かった。
「…ハアッ…いかなきゃ…!此処から…でなきゃ、ッ!」
私は優しい大好きなお姉ちゃんを思いながら
必死に前へ 前へと進んでいた。
肘が痛い
心が痛い
頭が痛い
腹が痛い
目が痛い
口が痛い…
私がもう前へ進めなくなったら
痛みが感じれた。
痛い…
痛いのには慣れているはず なのに…。
私は此処で死ぬのかなぁ─…
お姉ちゃん 何処ぉ─…?
目からまた涙が出ているのは 今 気付いた。
ふけない─…
この涙はふけない…
手が痛くて 動かない
きっと今までされた暴力の痛みが今…此処に…
目に見える物が薄れて見えた。
見えて いたい…
「……っ…」
言葉も中々喋れない。
お願い 口だけは…!
意識が消えて
消えていくのが分かった。
どうか 言わせて
どうか 合わせて
どうか 抱き締めて…
「お、ねぇ…ちゃ……」
大好きな人の名前は分からないのに今気付いた。
喋ったら肺辺りが痛くなった。
今はそんなの気にしてられな──…
トットット…
嘘…
足跡が聞こえた。
複数だし 此処に来そうだ。
私は ちょっと使えた口…
そう 舌を死ぬ気で噛んだ。
あいつらに殺されるなら
此処で自殺した方がマシ…!!
死にかけだったみたいで
段々 ふわぁって
逝くのが 分かりそうだった。
足跡は私の予想通りに
この部屋に入って来てた。
逝きかけてて 見えたのは
お姉ちゃん…
ごめんなさい。
私 最後まで…
「やっと死んでくれたのね、あー良かった♪みんな!焼肉食べにいこ!」
う、そ…。
あの あの やさしい
あんしん できる 声は…?
おねえちゃん…うそでしょ?うそといって。
すてないで だきしめて──…
お姉ちゃん達は部屋から出ていった。
代わりに─…
知らない女の人が居た。
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