193人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「うふふ♪大好きよぉ♪愛羅──…」
「私も私も♪大好きだよぉ……お姉ちゃん…」
勿論心の中では言葉とは逆の事を吐いていた。
「次、何するぅ?」
「処刑」
「……誰を?」
「お姉ちゃんを」
私は即答ばかりだった。
その時は全然 お姉ちゃんなんか怖くなかった。
お姉ちゃんは2歩下がって攻撃の体制をとって
「…殺れるもんなら殺ってみたら?醜い醜い愛羅ちゃんっ!」
「お姉ちゃん、大好きだから─…」
呉邉の仇…!取らなきゃっ!
私の足元には何故かトンカチが ひとつ。
なんであるんだろ…?
あと立ててる?どうして…?
私が望んだから?
まあ!どうだっていい!
私はしゃがんで、それを持とうとした。
「隙だらけよ──…っ!」
「はぐッ!!」
私の顔面にお姉ちゃんの蹴りが当たった。
ブーツだからもっと痛い…
私は血を吐いた
元々体が弱いのか限界が来たのか
でもトンカチを握りしめた。
痛みが麻痺みたいに感じられない
「死ねぇえ!」
私はトンカチを無我夢中で振り回した。
──────────────
はぁ…はぁ…
呼吸を整えて状況確認…する必要もなかった
お姉ちゃんは私の攻撃が当たり ピクピクと床に横になってた。
私は急に怖くなった。
だからトンカチで───…
どすっ!
「あ゛ぁ゛あああ゛!」
どすどすどす!
「痛…いッ!あ゛きゃああ!!」
私はお姉ちゃんの左足をトンカチで叩き続けた。
蹴られたくないから
「ぐっ…うぉえ……」
「あはっ…もういいよね…?もう殺していいよね…?!」
「なに…言ってんの、愛羅…」
私は本当はこんな事する気じゃなかった。
でも足
叩いたし
私の裏切られた気持ち
もう もう
出していいよね…?!
「あいら──…」
「黙って!」
がすんがすん!
「キャああぁああ!!」
今度は右足
「このッ!このこのこの!!自分ばかり幸せな毎日送りやがって…!」
「ぁああ!やめてぇっ!!」
「簡単に死なせないっ!」
私はお姉ちゃんを持ちあげて
またしても
何故かあった十字架みたいなのに貼り付けた。
私が望んだから
あったの?
「知ってる…?イエス・キリスト様はね!こうやって処刑されたってさっ」
本当にされたか記憶が曖昧だけど
私は貼り付けたお姉ちゃんの手に釘を打ち込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!