出会い

5/5
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
 少し悩んだが、帰ってしまうより彼と話し込んだほうがいいと思った。 「……まぁ、1時間ぐらいなら」  その言葉を聞くと、彼は子供のような笑顔で笑った。 「ありがと。……立ちっぱなしってのもなんだし、座ろ」  彼は木に背を預けて座り込む。  私は彼より少し離れた場所で木に背を預けて座り込む。 「そういえば名前、まだだったね。僕はサクラ。片仮名でサクラって書くの。女みたいな名前でしょ」 「そんな事ないよ。……私は紅葉(もみじ)。よろしくね、サクラくん」        そう、これが私とサクラくんの出会いだった。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!