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少し悩んだが、帰ってしまうより彼と話し込んだほうがいいと思った。
「……まぁ、1時間ぐらいなら」
その言葉を聞くと、彼は子供のような笑顔で笑った。
「ありがと。……立ちっぱなしってのもなんだし、座ろ」
彼は木に背を預けて座り込む。
私は彼より少し離れた場所で木に背を預けて座り込む。
「そういえば名前、まだだったね。僕はサクラ。片仮名でサクラって書くの。女みたいな名前でしょ」
「そんな事ないよ。……私は紅葉(もみじ)。よろしくね、サクラくん」
そう、これが私とサクラくんの出会いだった。
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