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「か、母さん!だってコイツがっ!」
「ちょっ、アンタさぁ、どんだけイヤな男なのっ」
「なんだとぉっ」
「いいから座りなさいっ!!!」
店内に響く母さんの声。
俺と理沙はまた母さんの一喝を受け、睨みながら座った。
雅史さんは俺と理沙のケンカにオロオロ、母さんの怒りにオロオロしていた。
「はぁ。ひろ君、いい加減にしなさい。ひろ君はなんでそんなに短気なの?さっきはあんなに喜んでくれてたのに。」
母さんは顔を手で塞ぎながら言う。俺はヤバいと思いながら
「か、母さん。ゴメン。でもコイツが。俺は喜んでたのに、コイツが先に俺をバカにした。でも、反対って訳じゃないよ?ただ。ただ、コイツが…。」
俺は言い訳をした。でもホントのことだから。俺は少し拗ねながら言う。
理沙がこっちを睨んでいるが気にしない。
「理沙ちゃん。理沙ちゃんは私達の結婚に反対なの?」
「ち、違うよ。千春さんはいい人だから、パパを任せられると思う。だから結婚は反対じゃないよ。でも、アイツが……。」
なんだよ。俺のせいかよ。俺らは初対面なんだよ!ふざけんなよ。俺も理沙を睨むが、あえなく無視。
「反対じゃないの?もし、もしひろ君と理沙ちゃんがホントに反対なら……。雅史さん、この話、なかったことで。子供に喜んでもらえないならしたくない。」
「えっ?ち、千春さん!」
雅史さんはビックリして思わず席から立ち上げる。
「か、母さん、俺反対じゃないよっ!」
「千春さん!私も反対じゃないわっ!」
俺と理沙は言った。その時ばかりは文句を言ってらんなかった。
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