事件

2/20
前へ
/98ページ
次へ
気がついたら、目の前は真っ暗だった。 俺は、一体どうなったんだ? まさかあれは夢だったのか? そんな事を考えながら、浩利は何もない真っ暗の光景に唖然としていた。 みんなはどこにいるんだと、ぶつぶつ言いながら、辺りを警戒し、一歩、二歩と足を動かしていった。 ここで、あることに気がついた。 確か胸と足を撃たれた記憶がある。しかし、撃たれた傷がどこにも見当たらないのだ。 痛いという感情もない。ましてや、暑い、寒いということまでも感じない。 人が死んだらこんなふうになるのか……。 その後、何かに取り付かれたようにそのまま前へ、前へと進んでいった。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

268人が本棚に入れています
本棚に追加