事件

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「……あっ」 人影は、もう目の前にまで迫っていた。 お前は一体何なんだ? と必死に訴えるような目で見ていたが、人影は何も動じず、突っ立っているだけだった。 ましてや、人影は笑っているかのようにも思えた。 顔から冷や汗が大量に流れていく。ツーと汗が頬を流れていく感じが、たまらなく気持ち悪かった。 そしてしばらくの間、沈黙がつづいた。 しかし、このままでは何も分からない、それにもうこの空気には耐えられないと、彼は大きく深呼吸をして、恐る恐る口を開いた。 「あんた……誰だ?」 いきなりそう聞いてしまったことに気づき、俺はなんて馬鹿なんだ……と彼は下を向いてしまった。 が、次の瞬間、彼は自分の耳を疑った。 「私は……神だ」
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