-捌【偶像】

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 この場所を守っていくために、偶像崇拝とはどうしても会わなくてはいけないのだ。  僕は、少しずつ遠ざかる『日常』に、今、本当に別れを告げた。  着いたところはやはり、大きなお屋敷だった。  以前連れていかれた偶像崇拝の家と違うところを上げるとしたら、そこが廃墟と化しているというところだ。 「生まれ育った家、か…」  言ったのは奏者だ。  ここといい、あの自宅といい、春日井家が相当の金持ちだったことは間違いない。  偶像崇拝の家族は、どんな人達だったのだろう。 「あなたはここで待っていてくださいね」 「いいの?私も戦えるわよ」 「女性の手を患わせるわけにはいきません…相手は『最凶』ですし」  紳士的なパラノイアの言葉に、なんだか変な気分だった。  よくそんな笑えるよなぁ。  パラノイアの寛大さとか器の大きさにはかなり感心させられる。  僕は余裕なんて微塵もない。 「んじゃ、行くか」
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