-捌【偶像】

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 私は形のない神に祈る。  それが偶像だとしても。  この世界が、狂い、壊れて、死んでしまいますように。 「では、行きましょうか」  パラノイアの言葉で、僕らは家を出た。  時間屋の見送る視線が、少し痛い。  僕はそれでも、行かなきゃいけないことを知っていた。  行き先は、偶像崇拝の亡き祖父母の家。偶像崇拝が生まれ育った場所でもあるらしい。  時間屋が教えてくれたのは、そこが一番偶像崇拝がいる可能性が高い、ということだけだった。 「しかし、一人相手に三人か」  ぽつり、と奏者がつぶやく。  僕も大袈裟かな、とは思ったが、実際相手にしてみて、一筋縄ではいかない相手だということはもう知っていた。  作戦を練る時間は惜しかったが、多少なりとも負傷している今が、仕掛け時だった。  自信も何もないが、僕たちはとにかく前へ進む。 「ちょっと、あんた達」
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