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この場所を守っていくために、偶像崇拝とはどうしても会わなくてはいけないのだ。
僕は、少しずつ遠ざかる『日常』に、今、本当に別れを告げた。
着いたところはやはり、大きなお屋敷だった。
以前連れていかれた偶像崇拝の家と違うところを上げるとしたら、そこが廃墟と化しているというところだ。
「生まれ育った家、か…」
言ったのは奏者だ。
ここといい、あの自宅といい、春日井家が相当の金持ちだったことは間違いない。
偶像崇拝の家族は、どんな人達だったのだろう。
「あなたはここで待っていてくださいね」
「いいの?私も戦えるわよ」
「女性の手を患わせるわけにはいきません…相手は『最凶』ですし」
紳士的なパラノイアの言葉に、なんだか変な気分だった。
よくそんな笑えるよなぁ。
パラノイアの寛大さとか器の大きさにはかなり感心させられる。
僕は余裕なんて微塵もない。
「んじゃ、行くか」
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