プロローグ

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路地裏に響く2つの足音と息。 「やめろ!死にたくないっやめてくれっ!頼…むっ、あ……!」 必死に逃げ、もう一つの足音に訴える。 そしてもう一つの足音と静かな息が話しかける。 「死にたくないだと?はっ、笑わせんな。お前、俺のこと馬鹿にしてんのか…?」 コツコツと音がするのと同時に水が滴り落ちる。もう一つのよく逃げ回る足音は怯え、 「頼むっ!やめてくれ!」 叫び続ける。 が、ものともせずに冷静な足音は、 「頼むだぁ?殺された奴の痛みを思い知れ!!」 そういってナイフを振りかざした。 同時に鮮血が飛び散った。 そしてその場にゴトリと音たてて人が倒れた。 それはもう屍と化した1つの足音と息だった。 冷静な足音は、携帯電話を取り出しゆっくりとボタンを押した。 「あ、もしもし?任務終わりました。今、そっちに向かうんで死体処理班頼めますか」 淡々と告げる別の声。 『ん、流石だね。特別犯罪者取締暗殺部隊のNo.1襁褓之 白堵&黒惟』 そう彼らは特別犯罪者取締暗殺部隊略して、特殺部隊の総隊長なのだ。 電話の相手は特別犯罪者取締暗殺部隊の総司令官、金辺 無汰(かなべ なくた)だ。 「いや、今日任務遂行したのは黒惟の方です。ボクじゃありません」 『あ、そうなの?じゃ、きっと派手にやってくれたかな?』 「あ、血が服と壁についちゃいました……」 『あーら、結構派手だなぁ』 「派手な方が楽しいだろ?あーあ、つまんねぇ」 さっきとはまた別の低めの声が話し始める。 『あはは、じゃ今日は報告書書いて持ってきたら終わり。また明日仕事頼むよ』 「「はい」」 『じゃ、よろしく~♪』 ブツッ 「うっわ、嫌な音だな」 低い声は携帯電話を耳から離し眉間にシワを寄せた。 「黒惟この音嫌いだもんね…」 高めの声が低い声の主に云う。 「当たり前だろ!気色悪ぃ」 低い声は携帯電話をパタンと閉じ、ポケットにしまった。 「とりあえず行こう」 高い声が云った。 「わかった」 それに続いて低い声の主も云った。 2人は歩き出した。 これからも変わりなく事件と任務は続く。 彼らは襁褓之 白堵と襁褓之 黒惟。二つの人格は、一つの身体でゆっくりと2人の道を歩いていく。
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