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そして、一時間後。
場所は総司令官、金辺 無汰のいる部屋。
時はすでに、4時をすぎていた。
白堵と黒惟は書いた報告書を届けにここにきた。
「あ、すみません。ちょっと訂正しなきゃいけないところが……」
焦りながら云う白堵に向かって金辺は、
「え?いや、いーよ。白堵くんはこういうこともしっかりやってくれる人だからね。今日はこれで仕事終了!緊急のが入らなければ、だけどね」
笑顔で軽く手を振りながら、優しく告げる。
「あ、あの、すみません…ボクあまり参加できなくて」
少し落ち込んだような口調で云った。
「いいって、暴れて仕留めるだけなんだから。黒惟にぴったり!キミみたいに落ち着いてらんないタイプだしね」
明るく励まし微笑む金辺。だが、黒惟はムッとし、眉間にシワを寄せて云った。
「どーゆーことっスか。俺が何か考える能力のないバカみてーに」
それを見てフォローを入れようとしたが
「そーじゃなくて、細かいことできない人で少々判断力に欠ける……」
「そーゆーことじゃないっスか!!!」
逆効果だった。慌てて止めに入る白堵。
黒惟の左の服引っ張って何とかしようとしている。
「落ち着いて……黒惟、そんなに怒らないで…」
「ああ?黙ってろって!なんとなくムカつくんだよ!」
少しだけ黒惟を見上げるようにして見つめ、服を引っ張り続ける白堵。
「だ、ダメっ!暴力反対っ……」
「ちょっ、あんま引っ張んな!」
「放したら暴力振るうもん、ダメだよ……」
ぎゅうっと力を込めて服を引っ張ったため、その勢いでバランスが崩れた黒惟。
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