プロローグ

4/4
前へ
/7ページ
次へ
「この馬鹿力!やめろって!っわ!」 グラッと白堵の方に傾き 「えっ…?あ、」 そのまま覆い被さるようにして2人一気に倒れてしまった。 「ってぇ…」 「うぅ……いたい……」 黒惟は、白堵が下になっていることに気づき、 「あっ、オイ!大丈夫かよ?!」 と声をかけ、何とか立とうと試みる。 そして、白堵は少し頬を染めて 「だ、大丈夫、だよ……」 などと云っていたが、後になるにつれて小声になっているのに気づいたらしく、黒惟は顔を近づけ尋ねた。 「顔赤いけど大丈夫か?風邪かな……」 熱があるか確認しようとした黒惟は、さらに顔を近づけようとしたが、 「ぁ、う、違うよ!大丈夫だってば…っ」 目線を逸らしまた顔を赤くして云った。 「ホントか?ま、大丈夫ならいいけど。っと!悪ぃ重いだろ?」 ハッとして自分が上に乗っているのに気づいた黒惟。 「あ、ううん。ごめんなさい…黒惟。」 少し俯いて謝る白堵。 「いや、俺のせいだし。ゴメンな?」 「もういいよ。」 それをずっと黙って見ていた金辺は 「ラブラブだね~2人とも」 いきなり2人に話しかけてきた。 「ばっ、何云ってんスか!俺たちもう帰りますね!」 「そういうことで、あの、また明日に!さ、さよなら…」 「うん、さよなら~」 と2人に向かって手を振った。 2人は部屋を出、歩きながら 「……何か勘違いしてたね」 「ま、俺はそう思われても良いけどな…」 「ぇ……?」 「あー、何でもねーよ」 「?」 こんな会話を繰り広げていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加