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「この馬鹿力!やめろって!っわ!」
グラッと白堵の方に傾き
「えっ…?あ、」
そのまま覆い被さるようにして2人一気に倒れてしまった。
「ってぇ…」
「うぅ……いたい……」
黒惟は、白堵が下になっていることに気づき、
「あっ、オイ!大丈夫かよ?!」
と声をかけ、何とか立とうと試みる。
そして、白堵は少し頬を染めて
「だ、大丈夫、だよ……」
などと云っていたが、後になるにつれて小声になっているのに気づいたらしく、黒惟は顔を近づけ尋ねた。
「顔赤いけど大丈夫か?風邪かな……」
熱があるか確認しようとした黒惟は、さらに顔を近づけようとしたが、
「ぁ、う、違うよ!大丈夫だってば…っ」
目線を逸らしまた顔を赤くして云った。
「ホントか?ま、大丈夫ならいいけど。っと!悪ぃ重いだろ?」
ハッとして自分が上に乗っているのに気づいた黒惟。
「あ、ううん。ごめんなさい…黒惟。」
少し俯いて謝る白堵。
「いや、俺のせいだし。ゴメンな?」
「もういいよ。」
それをずっと黙って見ていた金辺は
「ラブラブだね~2人とも」
いきなり2人に話しかけてきた。
「ばっ、何云ってんスか!俺たちもう帰りますね!」
「そういうことで、あの、また明日に!さ、さよなら…」
「うん、さよなら~」
と2人に向かって手を振った。
2人は部屋を出、歩きながら
「……何か勘違いしてたね」
「ま、俺はそう思われても良いけどな…」
「ぇ……?」
「あー、何でもねーよ」
「?」
こんな会話を繰り広げていた。
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