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あたしはおばさんに適当な理由をつけて、泊まりに来てくれることを断った。
そして、海斗の待つ部屋へと戻った。
時はすでに夕方。
「大変だ。夕食の準備しなきゃ。」
あたしがそう言うと、海斗は微笑みながら、
「由香が作るのか。」
と聞いた。
あたしは財布に、母からもらった夕食代を入れながら、「そうよ。」とあっけなく返した。
「これからあたし、買い物行くけど……海斗も来る?」
あたしがそう聞くと、海斗は満悦の笑みで頷いた。
ドキッとした。
海斗があまりにも無邪気な顔で笑うから。
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