第一章・異変

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…  (ふぅ。またここか…) 僕は躯の山の上に立って居る。  (…どうせまた切り掛かってくるんだろ) ズキッ  「うっ…」 急に腹部に激痛が走る。 そこを見ると大量の血があふれ出ている。…穴が開いている様だ。  あの時の柄を食らったらしい。  見えない「奴」に向かい、大声で叫んだ。  「…おまえは!!この戦争が正しいと思っているのか!! 俺はおまえたちの仲間を殺した。だがそれはお互い様だろう。 しかし…このままだと…ずっと!!ずっと戦い続けねばならん!!それでいいのか…」 フッ 静まり返る闇の中から さっきまで戦っていた奴の姿があらわれた。 顔は不気味な仮面で隠れているが、体つきから女だとわかった。 「…確かにな。…この戦いは憎しみに憎しみを塗り重ねているだけにしか思えない…」 どうやら奴も深手を負っているらしい。  肩から胸にかけて出血していた。  「…皆はこの戦いに疑問を持ってはいないのだろう。 互いの正義のもとに戦っているだけだからな。 だが、この山に敵も味方もないではないか… これが我らの正義が行き着く先の未来なのだ…」 「…そうだな。もう…戦いに疲れた……それにこの山の一部になる気は無いしな。」  彼女は仮面に手を掛けた。 僕はなぜか  心臓が高鳴っていた。  「わが名は…」
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