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パチッ
…彼女が名乗る瞬間。
どうやら現実に戻されたらしい。
まぶたが重い。
時計を見ると夜中の3時を指していた。
カーネ
「…一体なんだっていうんだよ…なんなんだあの女は…」
…あの夢を見るのは初めてじゃない。幼少の頃から何度かは見ていたが、こんなに何回も頻繁に夢を見ることは無かったし、ずっと同じ光景の夢だった。
以前までの夢は
緑あふれる草原で寝転び…
小鳥の歌声を聞き…
子供たちと笑う。
光があふれている世界。
それが突然闇に覆われ…
いわゆる
鬼や悪魔に似た連中が
うじゃうじゃと
現われてその世界を闇へ引っ張ろうとする。
多くの人が殺されて…
家は焼け落ち…草原はのっぺらぼうになり。木々は枯れ、花一つ咲かない闇が広がっていく…
そこでいつも目が覚める。
でもこれが年に数回だけだった。それが今は…
カーネ
「なんか…嫌だな。いやな気分だ…」
夢を思い返していると
僕は例え様のない威圧感を感じた。
誰かに見られてるような不安と…
目を閉じると誰かが襲ってくるんじゃないか…
夢が現実になるのではないか…
そんな恐怖から
眠れなくなった。
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