第一章・異変

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!!  殺られる!!!  屋根を突き破り  巨大な剣の刃が僕の目前に… カーネ 「うわっ!」 僕はとっさに腕でガードした。  ガィーン!!  金属と金属がぶつかる音が響く。 僕の腕に、ちぎれそうなほどの衝撃が走る。  カーネ 「いっっっっ!」 吹き飛ばされた勢いのまま、壁を突き破り外へ出た。 足場が…無い!! カーネ 「お…落ちる!!」 奴は大声で笑いだす。 グルーシス 「その格好で記憶がないとぬかすか!!まあよい!! あはははは!不様だな!カーネシアス!!空も飛べぬか!!俺はおまえを越えたのだ!俺が!!俺が次の大隊長だ!!」 奴の下品な笑い声が心に響く。 苛立ちの中、僕は重力に従って地面へと落ちていた。  …今までの十数年の思い出が頭を過る。  カーネ 「これが…走馬灯ってやつか…」 グルーシス 「ふははは!死ねぇ!」 奴は剣を抱え、切っ先を僕に向けて突っ込んで来た。  カーネ 「み…ミーナ…」 彼女の名前を口にしたとたんに、どこからか声が聞こえてきた。  ? 「ボクハマダシヌワケニハイカナイ …キミモダロ?」  カーネ 「…あぁ。そうだ。僕は!!まだ!シヌワケニハイカナイ!」 ドックン…ドックン… 鼓動がさらに高まり  体中から光が溢れだして 僕を包み込む。  手のひらに  身体中の血液が集まった様な感覚が走る。  光が手のひらに集まり、 僕の血と混ざり合うようなイメージが頭をよぎる。すると手のひらから黄金色の剣が現われた。  そして重力を振り払うかのように体がピタリと空中で止まり、クルリと奴の方に向きを変えた。
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