第二章・記憶の断片

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一体どれくらい歩いただろう。  いつもよりも体が重い。まるで自分が金属になったみたいだ…。 歩くたびに間接がズキズキ痛む。  引きずって歩いてきた素足は血だらけのぼろぼろ。  痛みはあまり感じない。麻痺でもしてるのだろうか… だが喉は異様に渇く…  と 目の前に公園が見えた。 カーネ 「…み、水…」 あと少しで水のみ場だが、僕は入り口のところで力尽き、座り込んだ。 カーネ 「はぁ…はぁ…近所の公園じゃないか…あんなに歩いた気になっていたのに…ほんの数百メートルかよ…」 落胆していると誰かが声をかけてきた。 「…カーネ?」 カーネ 「だ、だれだ…」 目の前に靄がかかっているように見えているため、顔がよくわからない。  ?「え?何言ってんの?私よ。」 カーネ 「ミ…ナ?」   ミーナ 「パジャマで、あちこちぼろぼろで!血だらけじゃない!どうしたのよ!」 カーネ 「あ、あはは、ちょっと転んじゃって」 ミーナ 「嘘!」 カーネ 「あははは、やっぱばれたか…ミーナにはかなわないや」 ミーナ 「…」 カーネ 「…」 しばらくの沈黙が続く。  先に口を開いたのはミーナだった。  ミーナ 「…とりあえず家に来なよ。」 ミーナは僕を支え彼女の家に向かった。
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