第一章・異変

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ある日。 僕は恐ろしい夢を見た。  …暗やみの中、一人ぽつんと浮かんでいる。 …夜のような暗さではなく、少しも無い空間に一人浮かんでいるのだ。 …一瞬光が射し、目の前に広がって行く。   …真っ暗な空間が明らかになる。  僕が立って居たのは、ビルの屋上くらいの高い場所で。 そこから下を見渡すとあちこちに赤い水溜まりがあり、 草木などの緑はまったく見当たらない。 さら目を凝らして見ると、血溜りの周囲をボロ布を纏った人のような「者」が、うなり声をあげながら、何かを求める様に徘徊している。  ふと自分の足元を見る。今まで地面だと思って踏み付けていたものは… 血の気が引いていく。 それは人骨だったのだ。 しかもこの高さまですべてが骨…。 いったいどれほどの人間がこの山の一部になっているのか… 近辺に見える白い山も恐らくそうなのだろう… 教科書で見た地獄絵図が現実になったかの様だ。  唖然としている僕の視界に  ふっ と何かが素早く動くのが見えた。  それを目で追う。  最初は遠くに感じていた黒っぽい「それ」は確実に… 異様な早さで僕が居るところへ近づいている。  …の、上ってきた!! その姿を目を凝らして見る。 不気味な顔? いや、仮面と言うべきだろうか。おそらく…足元の骸の破片で出来ているような色合いをしている。 瞬きをした一瞬に、そいつを見失う。 すぐさま背後に異様な気配を感じる… 振り返えると、奴は何時の間にかそこに居た。 「な、なん…」 声を発した次の瞬間… そいつは鋭い鎌の様な物を構え… 何の躊躇も無く僕に振り下ろす!
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