第一章・異変

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ミーナを部屋から追い出し、素早く着替え、カバンの中身を確認し。 朝食も食べずに玄関に向かう。 カーネ・ミーナ 「いってきます!」 二人で元気善く、いそいそと僕の家を出る。 彼女はまだ怒っているようで、しかめっ面だ。 ミーナ 「…ったく。毎日毎日ぃ!!寝坊はするわ、レディの前でいきなり脱ぎだすわ!…ほんっっとに懲りない奴ね!」 カーネ 「ししし、仕方ないだろ?(小声)…嫌なら起こしに来なきゃいいのに…」 ミーナ 「なにぃ!?こうでもしなきゃ、毎日遅刻するでしょ?感謝くらいしたらどうなの!」 カーネ 「ご、ごめん。(な、なぜ聞こえる…)」  …運命 …というか腐れ縁?  物心が付く前からの友達で、同じ幼稚園に通い、小中高と同じクラスの女の子。  母さんから聞いた話しだと、赤ん坊の時の僕は人見知りがすごかったらしい。 知らない人はもちろん、同じ赤ちゃんだろうが、猫などの動物だろうが、オモチャの人形だろうが。 初めて見る物や、初めて見た人の前では必ず泣き喚き、両親でさえ、寝起きの僕と目が合うだけで泣かれるので、かなり困ったそうだ。  …そんな僕がたった一人だけ、叩かれようが、頭突きされようが。どんな怪我を負わされても絶対泣かない人物がいた。 …そう。 それが彼女、ミーナだそうだ。 それ以来、母さんは 「カーネの運命の子」 と決めたらしいが…  正直勘弁してほしい。  …ただでさえクラスのみんなから夫婦扱いを受けてるのに。  確かに、頭いいし。運動もそこそこ。スタイルだって。それに美人な方だし。クラスメートに結構妬まれたりもする。  悪い気はしないんだが…… …いやいや!雰囲気に飲まれちゃダメだ! こいつは綺麗な顔をしてるくせに、攻撃が半端じゃない!人体急所ばかり狙いやがる! 毎朝クリティカル攻撃を食らい続けてる!地獄耳だし! 今でコレなんだ…結婚でもしたら… 毎朝あれを食らうのかと思うとゾッとする。 ミーナ 「…なに?人の顔を見て、笑ったり泣いたり怒ったりして。もしかして…今までの話を聞いてないのかな?カーネ君?」 首もとを掴み、キスするの!?って距離で威嚇してきた。 母さん…こんなやつだよ?
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