35人が本棚に入れています
本棚に追加
ミーナを部屋から追い出し、素早く着替え、カバンの中身を確認し。
朝食も食べずに玄関に向かう。
カーネ・ミーナ
「いってきます!」
二人で元気善く、いそいそと僕の家を出る。
彼女はまだ怒っているようで、しかめっ面だ。
ミーナ
「…ったく。毎日毎日ぃ!!寝坊はするわ、レディの前でいきなり脱ぎだすわ!…ほんっっとに懲りない奴ね!」
カーネ
「ししし、仕方ないだろ?(小声)…嫌なら起こしに来なきゃいいのに…」
ミーナ
「なにぃ!?こうでもしなきゃ、毎日遅刻するでしょ?感謝くらいしたらどうなの!」
カーネ
「ご、ごめん。(な、なぜ聞こえる…)」
…運命
…というか腐れ縁?
物心が付く前からの友達で、同じ幼稚園に通い、小中高と同じクラスの女の子。
母さんから聞いた話しだと、赤ん坊の時の僕は人見知りがすごかったらしい。
知らない人はもちろん、同じ赤ちゃんだろうが、猫などの動物だろうが、オモチャの人形だろうが。
初めて見る物や、初めて見た人の前では必ず泣き喚き、両親でさえ、寝起きの僕と目が合うだけで泣かれるので、かなり困ったそうだ。
…そんな僕がたった一人だけ、叩かれようが、頭突きされようが。どんな怪我を負わされても絶対泣かない人物がいた。
…そう。
それが彼女、ミーナだそうだ。
それ以来、母さんは
「カーネの運命の子」
と決めたらしいが…
正直勘弁してほしい。
…ただでさえクラスのみんなから夫婦扱いを受けてるのに。
確かに、頭いいし。運動もそこそこ。スタイルだって。それに美人な方だし。クラスメートに結構妬まれたりもする。
悪い気はしないんだが……
…いやいや!雰囲気に飲まれちゃダメだ!
こいつは綺麗な顔をしてるくせに、攻撃が半端じゃない!人体急所ばかり狙いやがる!
毎朝クリティカル攻撃を食らい続けてる!地獄耳だし!
今でコレなんだ…結婚でもしたら…
毎朝あれを食らうのかと思うとゾッとする。
ミーナ
「…なに?人の顔を見て、笑ったり泣いたり怒ったりして。もしかして…今までの話を聞いてないのかな?カーネ君?」
首もとを掴み、キスするの!?って距離で威嚇してきた。
母さん…こんなやつだよ?
最初のコメントを投稿しよう!