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麗子が微笑んでくれるだけで俺は幸せ
麗子を置いて遠くへ逝っても大丈夫な気がするから
『照れてねぇよ』
そう言って俺の額をつっついてる
麗子の人差し指を掴む
一瞬 麗子は驚いていたが
お互い笑みが溢れた
『俺の病気が治ったら
また2人で あの海辺に行こうな』
麗子は笑って頷いた
その海辺は俺と麗子の思い出の場所で
俺が麗子に告白した場所でもある
あの海辺から近い場所に綺麗な家がある
そこで いつか2人で住めたらいいねと話していた
「2人で あの綺麗な家で住もうねって約束したもんね」
と麗子は微笑む
俺は淋しげに微笑んだ
もう無理だと解[ワカ]っているから
そんな俺の顔を見て麗子は話を変える
「そう言えば この間 うちのミケがねぇ―」
とか…
俺の反応は とても薄い
彼女の話すら聞き流してしまうなんて
ダメな彼氏だね
麗子は俺でいいのか?
先が見えている こんな俺なんかで…
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