憂鬱な日々

7/13
前へ
/27ページ
次へ
    麗子が微笑んでくれるだけで俺は幸せ 麗子を置いて遠くへ逝っても大丈夫な気がするから       『照れてねぇよ』       そう言って俺の額をつっついてる 麗子の人差し指を掴む   一瞬 麗子は驚いていたが お互い笑みが溢れた       『俺の病気が治ったら また2人で あの海辺に行こうな』       麗子は笑って頷いた       その海辺は俺と麗子の思い出の場所で 俺が麗子に告白した場所でもある あの海辺から近い場所に綺麗な家がある そこで いつか2人で住めたらいいねと話していた       「2人で あの綺麗な家で住もうねって約束したもんね」       と麗子は微笑む 俺は淋しげに微笑んだ       もう無理だと解[ワカ]っているから       そんな俺の顔を見て麗子は話を変える       「そう言えば この間 うちのミケがねぇ―」       とか… 俺の反応は とても薄い 彼女の話すら聞き流してしまうなんて ダメな彼氏だね 麗子は俺でいいのか? 先が見えている こんな俺なんかで…    
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

245人が本棚に入れています
本棚に追加