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手術
-手術当日-
やっぱり麗子は来なかった
仕方ない
良い男になって待っていよう
…良い男ってどんなんか解んねぇけど
「林原さん準備はいいですか?」
と看護婦さんに聞かれ ゆっくりと頷いた
それから俺はベッドごと手術室へ運ばれた
周りには俺の知らない機械や道具――…
緊張して心臓が痛いくらいバクバクと音をたてる
AM9:00手術開始
手術開始から僅[ワズ]か1分程度で麻酔が効いてきたようで俺の記憶が途絶えた
次 目を開くと視界がボヤけ頭がボーっとしていた
俺はゆっくり首だけ動かし窓の方へ目をやった外が暗い事に気付き
病室内の光が異様に眩しく感じた
数分か数十分…
否…ハッキリとは覚えていない
だけど看護婦さんが様子を見に来た事だけは覚えている
目を覚ました俺を見て声をかけてきた
「林原さん 気分はどうですか?」
『別に…』
別に そっけなく答えるつもりはなかった
気分は悪くもないし
良いかと言われると
良いわけでもない
『別に…』と答えるのも必然的なわけだ
ただ 胸騒ぎが止まない
なぜ?
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