憂鬱な日々

4/13
前へ
/27ページ
次へ
    申し訳なさそうに麗子は看護婦さんに謝っていた 看護婦さんは にこやかに       「あっいえ 大丈夫ですよ 後は私がやっておきますから」       と言った後 俺が散らかした朝食を片付け始めた 麗子は片付けの手伝いを止める事はなく最後まで手伝っていた       俺の たった1つの行動で麗子に迷惑かけるなんて… なに やってんだろ俺       申し訳なさ過ぎて顔を上げられなかった 片付けが終わっても 右手で顔を覆って 俯いている俺に 麗子は いつもより優しく声をかけてきた       「しょう君 顔上げてよ! どうしたの? らしくないわよ?」       やたら優しい口調が余計に怖い 絶対怒ってんじゃん でも ここで顔を上げなかったら余計に怒られる       とりあえず 俺は右手を下ろし 怒られないように顔を背[ソム]けた 麗子は俺の顔に両手を添え俺と目を合わせた       「しょうくーん!! ダメでしょ!! ちゃんと食べなきゃ」       麗子はプクっと頬をふくらませた       『だって腹減ってねぇんだもんよ』       麗子は呆れたように       「もう」       っと言っていた いつも麗子に迷惑かけてばっかりだった 「もう」っと言った後に大きな二重の目を細めて笑う麗子の顔が大好きだった      
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

245人が本棚に入れています
本棚に追加