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麗子は持ってきた花を手に取り
「水替えてくるね」
と花瓶を持って病室から出て行った
また新しい花
枯れそうだった花から新しい花へ
まるで移植みたいだ
数分して麗子が花瓶に新しい花を挿して戻ってきた
俺は花瓶を元の位置に戻している麗子に話しかけた
『麗子…』
麗子は花瓶をコトンと置いて振り返り
俺と目を合わせた
「ん?何?」
もしも俺が死んだら他の男と幸せになれよ
『………何でもない』
麗子は顔をしかめながら
「変な しょう君」
と子供みたいな顔をした
言えなかった
麗子は【もしも】話が嫌いだ
前に『もしも俺が居なくなったら…』と最後まで話を聞かず平手打ち
麗子は「もしもじゃなくて!!
しょう君は居なくならないの!!
あたしの前から居なくならないんだから」
と目に涙を溜めて言われた
そんな…前は冗談のつもりだったが 今は…
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