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「しょう君?」
麗子はボーっと昔を思い出している俺の顔を覗き込んできた
俺は作り笑いをして
『愛してる』
そう言ったら
麗子は頬を赤くした
愛している事に嘘 偽りはない
ごめんな麗子
今はマジで笑えそうにないや
麗子は俺に唇を重ね合わせてきた
俺はゆっくり目を閉じる
数十秒して麗子は俺から顔を離した
「あたしは しょう君 愛してないよ」
『えっ…』
ショックだ…
じゃあ 今のキスは最後のキス?
もう 疲れた?
…そうだよな
俺は涙を堪えて口を開く
『何で?』
「愛 超えてますから」
と麗子は片手を添えクスクス笑った
俺は安堵[アンド]して微笑した
作り笑いじゃない
麗子も気付いているのかもしれない
俺が笑えていない事に…
だから いつも麗子は励ますように冗談言ったりして笑わかそうと必死になっていた
「あたしが側に居ないから淋しいでしょ?」
と額をツンツンつっついてきた
『ア…アホか!!』
そう告げられ
自分の顔が熱くなってきた事に気付いたが
眉間に皺を寄せ目を逸らして外連[ケレン]した
『今日暑いから顔赤いんだからな…』
「もう 照れちゃって可愛いんだから」
と両手を唇に添え
まるで お姉さんの様に微笑する
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