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私は何事のかと想い、顔を反射的に上げる。 すると目の前には、母と母の友人らしき女性、それから同世代くらいの男の人が立っていた。 大声を出したのは、この男の人であろう。 訳も分からず、とりあえず頭を下げた。 きっと兄さんか何かなのだろう。 …そう想っていられるうちは、まだ幸せだった。 「まっ、仲良くやっていけるでしょう。」 不意に言った母の友人の言葉に、少し違和感を感じた。 兄さん?的な人は軽く苦笑いしている。 (まさかね。) そんな言葉が脳裏をよぎる。
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