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しばらく沈黙が続いた。
ふと僕は思った。
「その子、学校が近いからウチに来るんだろ?」
「そうよ。」
ウチの近くの学校と言えば、小学校。
小学生じゃないとしても、次に近い中学校くらいだろう。
中学生までなら何も感情は芽生えないし、尻に敷かれることもないだろう。
中3なら何かしら感情が芽生えるかもしれないが………今は中3じゃないことを祈ろう。
妹ができたと想えば、何とか過ごしていけるはず!
僕は心の中でガッツポーズをした。
ガッツポーズを終えたと同時くらいに赤い軽自動車がアパートの駐車場に止まった。
中から母親の友人が出てき、車の中の人へ
「ついたよ。」
と声をかけた。
僕はまたしても、どうしようもない緊張に包まれた。
中の人を確認したいが、ここからでは中の人が見えない。
母親の友人が
「娘をよろしくお願いね。」
と言い、僕に頭を下げる。
僕もつられて頭を下げる。
その時、赤い軽自動車の後ろのドアが開いた。
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