6月・泣くなみだ。

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しばらく沈黙が続いた。 ふと僕は思った。 「その子、学校が近いからウチに来るんだろ?」 「そうよ。」 ウチの近くの学校と言えば、小学校。 小学生じゃないとしても、次に近い中学校くらいだろう。 中学生までなら何も感情は芽生えないし、尻に敷かれることもないだろう。 中3なら何かしら感情が芽生えるかもしれないが………今は中3じゃないことを祈ろう。 妹ができたと想えば、何とか過ごしていけるはず! 僕は心の中でガッツポーズをした。 ガッツポーズを終えたと同時くらいに赤い軽自動車がアパートの駐車場に止まった。 中から母親の友人が出てき、車の中の人へ 「ついたよ。」 と声をかけた。 僕はまたしても、どうしようもない緊張に包まれた。 中の人を確認したいが、ここからでは中の人が見えない。 母親の友人が 「娘をよろしくお願いね。」 と言い、僕に頭を下げる。 僕もつられて頭を下げる。 その時、赤い軽自動車の後ろのドアが開いた。
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