第一章

2/8
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
朝霧の中、水辺に少女が一人たたずむ 僕は少し離れた場所より眺めていた 少女の姿は、まるで天使が降りて来た様な そんな情景が僕の前に降り立った感じだった 少女の背中には、白い羽根の様な 実際には、作り物とすぐに僕には分かったけど 朝霧の中の少女は、僕には天使の様に見えた 僕に気付いた少女は、ちょっとびっくりした様子で水辺から立ち上がった そして、僕に向け天使の笑みを返してくれた 僕も少女に笑みを返そうとしたその時 朝霧が太陽の反射で、辺り一面 白一色 少女が純白の中に消えた 僕は、純白の中から少女を探そうとするが霧が深くて見つからない 僕は、ちょっとだけ朝霧にジェラシーを感じた しばらくすると、朝霧が少しづつ薄れて行く 僕は少女を探すが、少女が座って居た場所には、もう誰もいなかった 僕は、その場所まで何故だか走っていった 今思えば、あの時もう一度会いたいと感情で走っていた 少女はやはり、見つからなかった ふと、足元を眺めると 白い羽根がいくつか落ちていた 僕はそっと両手で一つその白い羽根を拾う 少女の背中に付いていた白い羽根 朝霧と太陽の中 きらきらと 純白の光で輝いていた白い羽根 あの少女は、もしかして本当の天使だったのだろうか? なんて、少しキザな事思いながら 僕はそっと自分のポケットにねじこみ、その場所を後にした。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!