Prologue~序章

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「生憎ですが、俺はフリーランスとして活動する方が向いてるんで。」 (お前はいつも似たり寄ったりなことしか言わないよなあ。) だがリチャードはダグラスの返答を予想していたのだろう。鼻で笑うと、 (じゃあな。また頼むぜ?) といって電話を切ろうとした。 「ところで、今テレビで『今回の事件は組織間の抗争だ。』と言う話が流れてたんですが、あれはリチャードが流したんですか?」 (まさか。そんなわけないだろ。俺はマスコミに偶発的だと説明したぞ。) やはりリチャードではないか…。 「そうですよね。誰が流したかちょっと気になったもので。」 (何だ?便利屋の勘か?) 「まあそんなとこです。ファミリーの人達にも聞いてみるといいかも知れませんよ?」 (自分から『俺達がドンパチやりました。』なんてマスコミに言っても何の得もないんだがな。とりあえずちょっくら調べとく。) 「わかったら教えてくださいね。」 (『ドラゴン』…ダグラス、お前もわかったら教えろよ。じゃあ報酬はいつも通りの方法で渡す。) それだけ言って、リチャードは電話を切った。 ファミリーの誰かが情報を流している━━━━あるいは、ファミリー以外の誰かがこの街の勢力図や動きを調べている? 1人で考えても答えは出ない…ダグラスは短くなった煙草を灰皿に押し潰して、バスタオルを手にバスルームへと入った。
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