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「…いてて………………」
「お、やっと目が覚めたか」
「…あなたは?」
「おいおい、人に名前を聞く時は自分からって言葉知らねぇのか?」
「…すいません…」
「…オレ『ウニ』っていいます…」
「うに?美味そうな名前だな」
「…」
「おっと、そんなに睨むなって!」
「あの…名前は?」
「『名前』か…」
「…」
「そんなもん」
「…」
「忘れちまったよ」
「忘れた?ふざけてるのか?」
「ふざけてなんか、いないさ」
「…」
「…ここには『名前』なんか必要ないからな…」
「?」
「おっと、気にしないでいいよ」
「…(名前が必要ない?)」
「…まあ、びっくりしたぜ…たまたま道歩いてたら人が倒れてるんだもんな」
「…ありがとう…ございます」
「礼はいらねぇよ!それより…オレはなんでこんな人気のロクにないようなとこにお前がいたかが気になってしょうがないぜ」
「…気にしないで…いいですよ」
「…そうか」
「はい」
「…まあ、とりあえず教えるが、お前さんが今いるのは、オレの家だ」
「はあ…」
「そんでここは『カリオ』っていう国…小さいがな」
「…」
「ここに来たのは初めてだろ?だからまあ、親切なおれが『カリオ』を案内してやるよ」
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