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父を乗せたキャリアが扉の向こうへ消え
手術中も文字が点灯した
・・・みんな押し黙ったまま時間だけが過ぎていった
何かを待つという行為にこれほどプレッシャーや緊張感を覚えた記憶は今までになかった
何時間たったんだろぅ
ふぃに手術中の点灯が消えた
みんな立ち上がり扉のほぅへ
母は私の肘のあたりをグッとつかんでいました
すると先生と看護士に連れられ父がでてきた
先生は母の方を向いて
「成功しましたよ。ご主人は精神的にも強く終始安定した状態で手術する事ができました」
とニコッと笑いかけました
その言葉を聞き母は「本当にありがとうございます」と目に涙を浮かべたまま深々とお辞儀しました
肘を掴む母の震えた腕からスゥ~っと力が抜けていくのを感じました。
「最悪の状態は脱しました、術後の状態を見ながらこれからのリハビリや治療方法などを決めていきましょう」先生が言うと母はもぅ一度深々とお辞儀するとまだ寝たままの父の手を取り
「おかえり」と一言囁きました
暗いトンネルから差し込んだ光を感じながら
ホッと胸を撫で下ろした私がいました
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